Claudeの公式Xは、次のように発表しました。

「Claude DashboardsとClaude Motionは本日ベータ版に」(Claude公式X・2026年10月8日〈米国時間〉の投稿より筆者訳)

データをつないだうえで「今四半期の売上を地域別に見せて」のように頼むと、ClaudeがグラフごとにSQL(データベースに集計を頼むための命令文)を書いて実行し、ダッシュボードにまとめます。自分で命令文を書かなくても、ほしいダッシュボードを言葉で頼めます。

数字の根拠をその場で確かめられる

特徴は、作り方が見えることです。各グラフには、その数字を出した命令文(クエリ)と、データを最後に更新した時刻が表示されます。

元のデータが変わると、ダッシュボードも更新されます。公式は「今週の申し込み数は先月と比べてどうか」といった、手早く探る質問に向いていると説明しています。

つなげるデータは?

公式が挙げている接続先は次のとおりです(2026年10月時点)。

種類公式が挙げている例
データウェアハウス(会社のデータをまとめて保管する基盤)Amazon Redshift、BigQuery、ClickHouse、Databricks、Snowflake
Claudeに接続済みのほかのアプリSalesforce(顧客管理ツール)の商談データなど

日本の美容サロン向け予約・POSシステムとの接続については、公式には明記されていません。

Claude Motionは、自分の資料を短いアニメーションにする機能です。公式は、四半期レポートを全社会議向けの30秒の解説にする、顧客向けに製品の使い方を順に見せる、といった例を挙げています。

大きな特徴は、動画生成AIではないことです。Claudeは文字・グラフ・図形・画像を動かすプログラム(コード)を書いてアニメーションを組み立てます。映像そのものを生成するモデルは使わないため、生成された実写風の映像やAIが作った人物は登場しません。

コードでできているので、言葉や数字、タイミングだけをあとから直せます。エディターで調整するかClaudeに修正を頼み、MP4形式の動画ファイルとして書き出せます。

提供範囲を表にまとめます。料金はAnthropicの料金ページに記載の米ドル建ての金額です。

プラン料金の目安Docs・Slides・DesignDashboards(ベータ)Motion(ベータ)
Free(無料)0ドル使える使えない使えない
Pro月払い20ドル(年払いは月あたり17ドル)使える使える使えない
Max月100ドルから使える使える使えない
Team標準シート1席あたり月払い25ドル(年払いは月あたり20ドル)使える使える使える
Enterprise1席あたり月20ドル(年払い)+利用量に応じた料金使える(管理者がオンにできる。10月15日から既定でオン)管理者がオンにすると使える管理者がオンにすると使える
  • 個人で契約するPro・MaxではMotionは使えません。Teamプランは2〜150人のチーム向けです
  • Enterpriseでは、DashboardsとMotionは初期状態でオフで、管理者が組織の設定でオンにします
  • どちらも、利用した分はプランごとの通常の利用上限に数えられます

DocsとSlidesは2026年9月16日に登場し、同じ日にDesignもClaudeの会話の中で使えるようになりました(当時は3つとも有料プラン向けのベータ版)。Anthropicによると、それ以降にClaudeで作られた文書・スライド・デザインは4,500万件を超えています。

  1. Dashboardsの場合は、先に質問したいデータをClaudeにつなぐ
  2. チャットで作りたいものを頼む(入力欄の「Output」から選ぶこともできる)
  3. できあがったものを見て、チャットで直したい点を伝える
  4. 必要に応じて「Share」から共有する(作った直後は自分だけに見える状態)

Dashboardsは「何をグラフにするか」より「何を知りたいか」を伝えるのがコツです。Motionは、誰が見るのか、どこで流すのか、長さはどれくらいかを伝え、元になる資料を添付します。

エステサロンの店長です。新人スタッフ向けに、初回カウンセリングの流れを説明する短いアニメーションを作ってください。

・見る人:入社1か月以内のスタッフ
・流す場所:朝礼。スマホでも見られるように
・長さ:〔30秒〕くらい
・内容:添付した〔カウンセリング手順書〕の5ステップを順番に

美容の仕事に置き換えると、たとえば次のような使い方が考えられます。

立場機能たとえばの使い方
美容メーカー・ディーラーの営業部門Dashboards顧客管理ツールの商談データをつなぎ、担当者別・進み具合別の商談状況を一覧にする
複数店舗を運営するサロン本部Dashboardsデータ基盤に売上を集めている場合に、店舗別・メニュー別の売上の動きを見る
美容メーカーの教育・マーケティング担当Motion新商品の特長や使用手順を、取引先サロン向けの短い解説アニメーションにする
個人サロン・小規模サロンDocs・Slides・Designスタッフ向けマニュアル、ミーティング資料、店内POPのたたき台を作る

お客様に見せる資料は、公開前に必ず人が内容を確認しましょう。基本の活用は美容室・美容サロンのAI活用ガイドで紹介しています。

売上・予約データをすぐつなげない小規模サロンは?

公式が接続先として挙げているのは、データ基盤や顧客管理ツールです。個人サロンは無理に背伸びをせず、次の順番で進めるのがおすすめです。

  1. まず無料で使えるDocs・Slidesで、マニュアルや資料づくりに慣れる
  2. 数字を見たいときは、予約システムから書き出した集計表(CSVなど)から氏名・電話番号などの列を消し、Claudeにファイルとして読み込ませて相談する
  3. 毎月同じ集計をくり返すようになったら、データの置き場所を整えることや、Dashboardsの利用を検討する

「画面で答えるAI」の流れは、ChatGPTの「Intelligent UI」とは?でも紹介しています。

ベータ版であることを前提にする

DashboardsとMotionは、どちらもベータ版です。仕様や対象プラン、接続先は今後変わる可能性があります。

数字はクエリを見て、人が確かめる

見た目が整っていても、何を数えているかが意図とずれていることはありえます。公式も、クエリを開いて確かめ、違っていればClaudeに伝える使い方を案内しています。「売上」が税込か税抜かなど、定義を確認する習慣をつけましょう。

個人情報は「目的の範囲内か」「学習に使われないか」を確認する

売上や予約のデータには、お客様の氏名や連絡先、施術の記録が含まれることがあります。個人情報保護委員会は2023年6月の注意喚起で、事業者が個人情報を含む指示文を生成AIサービスに入力する場合、特定した利用目的を達成するために必要な範囲内かを十分に確認することを注意点に挙げています。

あわせて、あらかじめ本人の同意を得ずに個人データを入力する場合は、サービスの提供事業者がそのデータを機械学習に利用しないことなどを十分に確認するよう求めています。利用規約やプライバシーポリシーを確かめ、分析に不要な氏名や電話番号は先に外しておくのが安全です。

誰がどこまで見られるかを決めておく

Claudeがつないだ先で見られる範囲は、原則としてその人が元のサービスで持つ権限と同じです。Team・Enterpriseでは、管理者が「読み取りだけを許可する」といった制限をかけられます。データをつないでAIに作業を任せる考え方は、AIエージェントとは?でも解説しています。

Q. Claude Dashboardsは無料プランでも使えますか?

使えません。2026年10月時点では、Pro・Max・Team・Enterpriseの有料プラン向けのベータ版です。無料プランでは、同じ日にベータを終えたDocs・Slides・Designが使えます。

Q. Claude Motionは動画生成AIと何が違いますか?

Motionは映像を生成するモデルを使わず、Claudeが文字やグラフを動かすコードを書いて作ります。そのため数字やタイミングをあとから直せます。実写風の映像や人物を作る機能ではありません。

Q. 日本の予約システムやPOSレジのデータをつなげますか?

公式が挙げている接続先は、BigQueryやSnowflakeなどのデータ基盤と、Salesforceなどの接続済みアプリです。日本の美容サロン向けシステムへの対応は、公式には明記されていません。

Q. 作ったダッシュボードや動画は共有できますか?

できます。作った直後は自分だけに見える状態で、「Share」から共有します。組織の外の人やリンクを知っている人への共有は、管理者が許可している場合に限られます。

  • Claude Dashboardsは、データをつないで質問するとClaudeがダッシュボードを作る機能。各グラフで元のクエリと更新時刻を確認できる
  • Claude Motionは、資料を短いアニメーションにする機能。コードで作るので数字やタイミングをあとから直せ、MP4で書き出せる
  • 2026年10月8日(米国時間)にベータ版として発表。Dashboardsは有料プラン、MotionはTeam・Enterprise向け
  • Docs・Slides・Designはベータを終え、無料を含む全プランで利用可能に
  • 顧客データをつなぐ前に、利用目的・学習への利用の有無・見られる範囲を確認する

道具が増えるほど、「何のために、どのデータを、誰が見るのか」を決める力が大切になります。YOHAKU DXでは、累計150社以上の研修・支援の経験をもとに、美容業界の現場に合ったAIの使い方とルールづくりを支援しています。