OpenAIは公式Xで、次のように発表しました。

「GPT-6とIntelligent UIを、ChatGPTの全ユーザーに展開中」(OpenAI公式X・2026年10月8日〈日本時間〉の投稿より筆者訳)

公式ブログによると、GPT-6は質問ごとに「文章・図・操作できる部品」の組み合わせ方を自分で選んで回答を組み立てます。比べる話なら横に並べ、仕組みの説明なら操作できる図にし、文章だけで足りるときは文章で答えます。特別な指示文は必要ありません。

公式が挙げる3つの使い方

  1. 日常の質問をより見やすく:レシピの横に調理のタイムラインを並べる、旅行の立ち寄り先を地図に表示する、など
  2. 難しいことを理解しやすく:数字を変えて結果がどう変わるかを試したり、1ステップずつ問題を解いたりできる
  3. その場でツールを作る:貯金の増え方を試す計算ツール、割り勘ツール、会話の中で遊べるゲームなどを、頼むだけで作れる

仕組みと、GPT-6で速くなった点

OpenAIは、すぐに表示できる部品のライブラリと、回答の生成中から画面を組み立てる仕組みを用意したと説明しています。回答が完成するのを待たずに、画面が少しずつ現れます。

GPT-6は、考えながら答え始めることもできるようになりました。Web検索が必要な質問では、GPT-6 Instantは前世代のGPT-5.6 Instantより平均44%早く回答を始めるといいます(OpenAIの測定。回答の完了ではなく、答え始めるまでの時間)。

2026年10月時点の提供範囲は次のとおりです。

プラン提供開始(米国時間)使われるモデル
Plus・Pro・Business・Enterprise2026年10月7日から順次GPT-6 Sol
無料版・Go2026年10月8日から順次GPT-6 Luna
  • 提供は全世界が対象です。OpenAIのヘルプセンターには日本語の解説ページ(「ChatGPT のインテリジェント UI」)も用意されています
  • 使えるのは「Chat」タブです。Webと、最新版に更新した対応アプリで順次使えるようになります
  • 推論の深さを選ぶ設定のうち「Instant」から「Extra High」まで対応します。最上位の「Pro」(GPT-6 Astraで動く)や「Work」タブ、音声モードでは使えません
  • Intelligent UI専用の利用回数の上限はなく、プランごとの通常の上限が適用されます。Enterpriseでは管理者の設定によります

順次提供のため、すぐに表示されない場合があります。アプリを最新版に更新して待ちましょう。

GPT-6はいつ発表された?9月との関係

「GPT-6」という名前は2026年9月から登場しています。今回は、それをChatGPTの普段のチャットに広げた位置づけです。

日付(米国時間)出来事
2026年9月3日最上位モデル「GPT-6 Astra」を発表。一部の組織から提供開始
2026年9月22日「GPT-6 Sol」「GPT-6 Luna」を発表。有料プランの「ChatGPT Work」「Codex」向けで、通常のチャットは対象外
2026年9月29日「GPT-6.1 Sol」を発表(Work・Codex向け)
2026年10月7日Chatタブに「GPT-6」とIntelligent UIを搭載。無料版は翌日から

OpenAIは今回、週に12億人以上が使うChatGPTの利用者に向けて、新しいGPT-6モデルを用意したと説明しています。

ChatGPTにはこれまでも、文章を作る以外の機能がありました。違いを表にまとめます。

機能どう表示されるか主な用途使えるプラン(2026年10月時点)
従来のチャット文章・表・箇条書き質問への回答、文章の下書き全プラン
Canvas会話とは別のウィンドウ文章やコードを一緒に編集する2026年5月にGPT-5.5では提供終了
Intelligent UI会話の中に、図・ボタン・フォーム・ツール見て・触って理解する、その場の道具全プラン(順次)
ChatGPT SitesWebサイトや簡単なアプリとして公開ダッシュボード、管理表などの共有有料プラン(無料版・Goは対象外)

Canvasは2024年10月に登場した、文章やコードを並んで編集するための画面でした。2026年5月には、GPT-5.5ではCanvasが使えなくなり、回答の中の「文章ブロック」「コードブロック」で扱う形に変わっています。

Intelligent UIは「別の画面を開いて作業する」のではなく、回答そのものが操作できる画面になる点が大きな違いです。

生成UIとは、AIが回答の中身だけでなく、画面や操作のしかけまで含めて作ることです。Google Researchは、AIがコンテンツだけでなく体験そのものを生成する能力と説明しています。Intelligent UIも、この流れの1つといえます。

サービス機能時期概要
Claude(Anthropic)Artifacts2024年6月会話の横の専用ウィンドウに、コードや文書、Webページのデザインなどを表示し、編集・発展できる
Gemini・Google検索生成UI(dynamic view など)2025年11月Gemini 3の発表にあわせて公開。質問ごとに操作できる画面やツールを作る実験機能
ChatGPT(OpenAI)Intelligent UI2026年10月普段のチャットの回答が、図やツールを含む画面になる

なお、生成UIは「見せ方・使い方」を変える技術で、作業を代わりに進めるAIエージェントとは別の話です。AIエージェントについてはAIエージェントとは?で解説しています。

サロンの仕事で「その場で作ってもらう」イメージを、たとえばの形で紹介します。

やりたいこと頼み方の例できあがるイメージ
メニュー料金の比較・シミュレーター「カット・カラー・トリートメントを選ぶと合計金額が出るようにして」選ぶと合計が変わる料金表
カウンセリング用の質問ツール「初来店の方に、髪の悩みとなりたい雰囲気を選択式で聞く質問票を作って」タップで答える質問フォーム
売上の可視化「月別・メニュー別の売上をグラフにして、前年と比べられるように」切り替えられるグラフ
スタッフ教育のクイズ「新人向けに、カウンセリングの流れを確認する10問クイズを作って」答えると正誤と解説が出るクイズ
準備のチェックリスト「新メニュー導入までにやることをチェックリストにして」チェックできる一覧

頼むときは、目的と条件をはっきり伝えるのがコツです。

美容室の店長です。お客様にメニューを説明するための料金シミュレーターを作ってください。

・メニュー:〔カット 5,500円/カラー 7,700円/トリートメント 3,300円〕
・条件:組み合わせを選ぶと税込の合計金額が出る。初来店割引〔10%〕のオン・オフも選べる
・表示:スマホで見やすく、文字は大きめに

文章づくりやSNS投稿など、基本の使い方は美容室・美容サロンのAI活用ガイドで紹介しています。

出力は必ず人が確認する

見た目が整っていても、計算式や金額、税込・税抜の扱いが正しいとは限りません。OpenAI自身も、デザインの判断力などはまだ改善の途中だとしています。数字は元データや手計算と突き合わせましょう。

お客様の個人情報を入れない

売上データやカウンセリングの記録を使うときは、氏名や電話番号などの列を消してから読み込ませます。個人情報保護委員会は、個人情報を含む指示文を生成AIに入力する場合、利用目的の範囲内かを十分に確認するよう呼びかけています。

お客様に見せる前・公開する前にチェックする

料金表やシミュレーターをお客様に見せる場合は、実際の料金や条件と合っているか確認します。景品表示法は、取引条件を実際より著しく有利だと誤認させる表示(有利誤認)を禁止しており、消費者庁は誤って表示した場合も規制の対象になると説明しています。効果をうたう表現は「優良誤認」にも注意しましょう。

作ったものは保存方法を決めておく

チェックリストなど一部の部品は、同じチャットを再読み込みしても状態が残りますが、別のチャットには引き継がれません。大事な結果は、表計算ソフトなどに写しておくと安心です。

Q. 無料版でもIntelligent UIは使えますか?

使えます。無料版とGoプランは2026年10月8日(米国時間)から順次、GPT-6 Lunaで提供されています。Intelligent UI専用の回数制限はなく、プランごとの通常の上限が適用されます。

Q. 日本でも使えますか?

提供は全世界が対象で、日本語のヘルプページも公開されています。順次提供のため、表示されない場合はアプリを最新版に更新するか、Web版を試してください。

Q. 図やツールを出さず、文章だけで答えてもらえますか?

Web版の設定で「パーソナライズ」→「レイアウトとビジュアル」→「シンプル」を選ぶと、図や操作できる要素が減ります(一部は表示されることがあります)。カスタム指示に「比較するときは表を使って」などの好みを書くこともできます。

Q. 作ったツールをお客様やスタッフと共有できますか?

Intelligent UIは会話の中で使う機能です。Webサイトや簡単なアプリとして公開・共有したい場合は、有料プラン向けの別機能「ChatGPT Sites」があります(2026年7月に公開ベータ開始、無料版・Goは対象外)。公開前には必ず内容を確認しましょう。

  • Intelligent UIは、ChatGPTが図・グラフ・ボタン・ツールを組み合わせた“画面”で答える新機能
  • 2026年10月7日(米国時間)からGPT-6とともに有料版、翌日から無料版・Goへ順次提供
  • Canvasのような別画面ではなく、回答そのものが操作できる画面になる
  • サロンでは料金シミュレーター、質問票、売上グラフ、教育クイズなどを「その場で作る」使い方が考えられる
  • 数字の確認、個人情報を入れないこと、お客様に見せる前のチェックは今まで以上に大切

“読む”から“触って分かる”へ。AIの答え方が変わると、お客様への説明やスタッフ教育の形も変わっていきます。YOHAKU DXでは、累計150社以上の研修・支援の経験をもとに、美容業界の現場に合ったAIの使い方とルールづくりを支援しています。