Claude Codeは、AI企業のAnthropic(アンソロピック)が提供するツールです。公式ドキュメントでは「エージェント型のコーディングツール」と説明されており、パソコンの中のファイルを読み、編集し、コマンド(パソコンへの命令)を実行できます。

「エージェント」とは、目的を伝えると手順を自分で考え、作業を最後まで進めてくれるAIのことです(詳しくはAIエージェントとは?)。たとえば「このフォルダの写真に、写っている内容に合わせた名前を付けて」と頼むと、中身の確認から名前の変更までを進めます。

名前に「Code」とありますが、用途はプログラミングだけではありません。ファイルの整理、資料の作成、表データの集計、Webページづくりなども、普段の言葉で指示して任せられます。公式の初心者向けガイドでも、コードの知識がなくても使えると案内されています。

ポイント:Claude Codeは「答えるAI」ではなく「作業するAI」です。頼んだ仕事を、パソコンの中で実際に手を動かして進めてくれます。

ChatGPTなどの「会話型」の使い方と比べると、次のような違いがあります。

比べるところチャットAI(会話型の使い方)Claude Code
主な役割質問に答える、文章を出す頼まれた作業そのものを進める
ファイルの扱い自分でコピーや貼り付け、アップロードをする指定したフォルダ内のファイルを自分で読み書きする
進め方1回の質問に1回の回答計画・実行・確認を自分でくり返す
できあがるもの画面上の回答表・文書・Webページなどのファイル
安全のしくみ回答を読んで自分で使うファイルの変更や命令の前に許可を求める設定にできる

チャットAIにもエージェント機能は増えていますが、自分のパソコンのファイルを直接扱い、作業を完了させる点がClaude Codeの大きな特徴です。

なお、Anthropicは2026年9月、Claude Codeと同じ仕組みをターミナルなしで使える「Claude Cowork」を、通常のClaudeと統合すると発表しました。文書やスライドづくりが中心なら、そちらも選択肢です。

Claude Codeは次の場所で使えます。中身は同じで、画面や操作方法が違うと考えてください。

使う場所どんなものか向いている人
デスクトップアプリMac・Windows用「Claude」アプリの「Code」タブ。ターミナル不要はじめての人
ターミナル文字で指示を出す画面。すべての機能が使える基本形慣れてきた人
Web・スマホブラウザ(claude.ai/code)やスマホアプリから、クラウド上で作業GitHubを使っている人
IDEVS CodeやJetBrainsなど、プログラム編集ソフトの拡張機能Web制作の担当者など

ほかに、Slackから作業を頼む連携などもあります。Web版は、GitHub(プログラムなどを保管するサービス)との連携が前提です。

ITに詳しくない方には、デスクトップアプリから始めるのがおすすめです。公式ドキュメントでも、ターミナルを使いたくない人にはデスクトップアプリが案内されています。

必要なものは、パソコンと、有料プランに登録したClaudeのアカウントです。ターミナル版の動作環境は、macOS 13.0以降、Windows 10(バージョン1809)以降とされています。

料金は、Claudeの月額プランに含まれる形が基本です。公式の料金ページの表示(米ドル・税別)は次のとおりです。

プラン月額Claude Code
Free0ドル使えない
Pro20ドル(年払いは月あたり17ドル)使える
Max 5x100ドル使える(Proの5倍の利用量)
Max 20x200ドル使える(Proの20倍の利用量)
Team・Enterprise席の種類や契約による使える(組織での導入向け)

利用量には上限があり、Claudeのチャットでの利用と合算されます。上限は「5時間ごと」と「1週間ごと」の2段階です。ほかに、API(使った分だけ支払う従量課金)で使う方法もあります。

料金やプランは変わりやすいため、契約前に必ず公式ページで最新情報を確認してください。

ここからは美容業界での使い方の例です。実際のデータやお店のルールに合わせて調整してください。

予約・売上データの集計と月次レポート

予約システムやレジから書き出したCSV(表形式のデータ)をフォルダに入れ、集計を頼めます。たとえば、次のような指示です。

「2026年9月_売上.csv」を読み込んで、スタッフ別・メニュー別の売上合計と来店数を表にまとめてください。前月のファイルがあれば比較もして、結果は新しいファイル「9月レポート」に保存してください。元のファイルは変更しないでください。

スタッフ用マニュアル・研修資料づくり

接客の流れやカウンセリングのメモなど、散らばった資料を読み込ませて、新人向けのマニュアルにまとめ直せます。研修資料の構成案や、確認テストづくりにも使えます。

複数店舗のデータ整理

店舗ごとに形式がばらばらな表を、同じ項目・同じ並びにそろえる作業に向いています。ファイル名のルールをそろえる、フォルダを整理するといった地道な作業も任せられます。

店舗のLPやブログ記事の作成・更新

LP(ランディングページ=1枚で完結する紹介ページ)の下書きを、Webページのファイルとして作れます。料金変更の反映やブログ記事の下書きにも使えます。公開は、サイトの担当者や制作会社と相談しながら進めましょう。

SNS投稿案の量産と管理

Claude Codeは、フォルダに置いた「CLAUDE.md」というメモを、作業を始めるたびに読み込みます。ここにお店の口調やNGワード、ハッシュタグのルールを書いておけば、毎回説明しなくても方針に沿った投稿案を作れます。

来月のInstagram投稿案を12本作ってください。CLAUDE.mdのルールに沿って1本ずつ別のファイルに保存し、投稿予定日・テーマ・本文・ハッシュタグを一覧表にまとめてください。

SNSで話題になっている使い方

X(旧Twitter)やWebメディアでは、プログラミング未経験の人がClaude Codeを「秘書」のように使う例が多く紹介されています。よく紹介されるのは、ファイル整理や資料の確認、文字起こしからの議事録づくり、SNS運用ルールのファイル化などです。

共通するコツは、判断の基準や手順をファイルに書き残しておくことです。Anthropic社内でも、マーケティングチームが広告データから広告文のバリエーションを作る仕組みを作った例が公開されています。

デスクトップアプリで始める(おすすめ)

  1. Claudeの有料プラン(Pro以上)に申し込む
  2. 公式サイトからデスクトップアプリをダウンロードしてインストールする
  3. サインインして、画面上部の「Code」タブを開く
  4. 「Local」を選び、「Select folder」から作業用フォルダを選ぶ
  5. 送信ボタン横の切り替えで「Manual」を選び、指示を入力する

最初は、コピーした練習用のフォルダで試すと安心です。

ターミナルで始める場合

Macは「ターミナル」、Windowsは「PowerShell」を開き、次の1行を貼り付けてEnterキーを押します。

Macの場合:

curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash

Windows(PowerShell)の場合:

irm https://claude.ai/install.ps1 | iex

終わったら、新しい画面で「claude」と入力して起動し、案内に従ってログインします。

最初の指示の例

まずは「読むだけ」の指示から始めましょう。

このフォルダに入っているファイルを一覧にして、それぞれ何のファイルか簡単に説明してください。まだファイルは変更しないでください。

何を実行するか確認してから許可する

Claude Codeには、確認なしでどこまで作業させるかを決める「権限モード」があります。「Manual」なら、ファイルの変更や命令の実行の前に毎回許可を求めます。

最新版のターミナルでは「Auto」(別のAIが安全性をチェックしながら進めるモード)が初期設定です。慣れるまではShift+Tabキーで「Manual」に切り替え、内容を読んでから許可しましょう。

許可前の確認は、公式にも利用者の責任とされています。確認をすべて省く設定(Bypass permissions)は使わないでください。

お客様データ・個人情報の扱い

個人向けのFree・Pro・Maxプランでは、会話データをAIの改善に使うかどうかを利用者が選べます(保存期間は、使う設定で5年、使わない設定で30日)。Team・Enterprise・APIでは、契約者が提供を選ばない限り学習には使われません。

どのプランでも、お客様の氏名・電話番号・カルテ情報などは、事前に削除や記号への置き換えをしておくのが基本です。社内の個人情報の取り扱いルールも確認しましょう。

出力は必ず人の目で確認する

集計の数字は、元のデータと何件か突き合わせて確かめましょう。SNS投稿やLPの文章は、効果・効能の表現が薬機法などに沿っているか、人がチェックしてから公開してください。

セキュリティの基本

  • 作業用フォルダを分け、大事なファイルはバックアップを取ってから任せる
  • パスワードやカード番号は、指示に書き込まない
  • 出どころの分からないファイルやWebページを、そのまま読み込ませない(悪意ある指示が紛れている場合があるため)

  • Claude Codeは、指示するだけでパソコンの中の作業を進める、AIエージェント型のツール
  • チャットAIとの違いは、ファイルを直接扱い、作業の完了まで進める点
  • はじめての人はデスクトップアプリから。Pro以上の有料プランが必要(2026年10月時点)
  • 集計・資料・発信といった「くり返しの作業」から試すと始めやすい
  • 権限の確認、個人情報の扱い、出力のチェックは必ず人が担う

小さな作業から1つずつ任せていくことで、お客様と向き合う時間を生み出しやすくなります。YOHAKU DXでは、累計150社以上の研修・支援の経験をもとに美容業界に特化したAI研修を行っており、AIエージェントやClaude Codeを扱う内容もご相談いただけます(受講にはパソコンが必要です)。